今回も本当に、オチ考えるだけの実話集でした。
漫画に描いた通り、衛一族の出自は
どこの馬の骨とも解らないのですが、
無理な引き立てられ方をしてもちゃんとこなす、
優秀な人たちが揃っていました。
いくらチャンスをもらっても活かせない人も
いるのですから、たいした有能一族です。
(いきなり将軍やらされるのは、
チャンスというより災難だけど…)
その後、衛一族は陰謀に巻き込まれて
まとめて粛清されてしまいます。
(衛青の死後ですが、衛皇后は死を賜ります)
すぐに冤罪が立証されましたが、
いくら武帝が後悔しても、みんな死んだあと。
しかし、獄の中にはただ一人、衛一族の血を引く
生まれたばかりの嬰児が生き残っており、
市井で成長したこの子は長じて、
前漢中興の祖と名高い宣帝(劉詢)となりました。



詳しくは白泉社『お嬢様と私』を読もう!
面白いし、すごいよあれは!


将兵共々、えらい目にあいました。
柳の下にドジョウは2匹居ないのです。
   余談


漢は皇后の出身身分が低いことが多いです。
漢の高祖劉邦の皇后、呂后の一族に、開始早々の王朝を乗っ取られかけて懲りているので、
外戚(皇帝の母になった皇妃の一族)が力をつけて専横することを恐れていたからです。
皇帝を選ぶ際に、后の実家に力がないことが選考基準になったり、
幼児のころに皇太子に選ばれたかわりに、生母が殺されたりしました。

もっとも、こういうことは中国ではままある事で、
父親が皇帝なら、母親が踊り子でも炭焼きの娘でも息子が皇帝になれたのは、
女性の地位が低かったからです。

逆に、なんだかんだ女性の地位が高い匈奴や日本では、母親の身分が低ければ、
長子でも嫡子とはみなされず後継者から外れたりするのと対照的です。






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